だいたいさ、僕らのこと呼ぶのにハゲタカって何? ちょっと漢字で考えて欲しいんだけど、禿と鷹ですよ。見たまんま。あんまりじゃない?
何の話だったっけ。そう、僕らのイメージが悪いって話だったね。あのね、死体を漁るって書かれることが多いんだけれども、仕方ないじゃない。ハイエナと同じで、そういうふうに出来ているんだもの。僕の頭がむき出しなのだって、何かきっと深い理由があるんだと思うな。それに人間だって、スーパーマーケットで肉や魚を買うけど、あれだって奇麗に加工してあるだけで、「殺したてほかほかの牛さん」とか「同、豚さん」とかなわけで、僕らと大差ないじゃない。僕らコンドルだって身近にコンビニがあって、手軽に食べ物が手に入るなら、わざわざ遠くまででかけて大型動物の死体を探したりしないよ。その点、都会のカラスはかしこいよね。コンビニとかで大量に廃棄される食べ物や、ファーストフード店の残飯などが、いつ頃どんな形で出されるかちゃんと把握してると思う。マメだね。
生態が違うし、体の大きさも違うから、「黒船がきた」みたいな感じで仲間に入れてくれないかもしれないけど、都会のカラスに「現代を生きる智恵」を教えてもらいたいよ。だって、僕の種族絶滅しかけてますから。どげんかせにゃいかんじゃない? とりあえず、ネクタイしめて、自己分析して志望動機かいて、都会のカラスの群れに履歴書出してみようかな。プリントアウトするのと、ボールペンとどっちがいいんだろう。やっぱり文字には人柄が出るってことで、丁寧に楷書で自前の羽ペンで書くのがベストかな。
その前に、パスポートどうしよう。僕、まだ持ってない。「生息地 アンデス山脈」とか書かれるのだろうか。
日本に入国する際にいつもどうしてるのか、渡りをするツバメやハシボソミズナギドリにきいてみようかなぁ。彼らと、言葉通じるといいんだけど。
